LifeKeeper製品を使っていただくために出来ることすべてを考える
【LifeKeeperのプロフェッショナルたち #5】HAクラスターソフト「LifeKeeper」を世の中に送り出す、サイオスのプロフェッショナルチームに迫るシリーズ。連載第5回はLifeKeeperおよびHAクラスター市場そのものの深耕拡大を図る、サイオスの鈴木健一に訊きました。
ピープル2017年1月24日
戦略的なマーケティング取り組みが成長を支える
― LifeKeeper製品におけるマーケターの役割は?
鈴木:マーケティングの役割の中心は、LifeKeeperおよびDataKeeperの存在をより多くのユーザーに知っていただき、利用者を拡げていくことです。
HAクラスタリングを実現する製品はLifeKeeperだけではありません。他社のHAクラスター製品、OSS、またサーバー製品などに実装される機能など数多くあります。とはいえ各プロダクトが提供する可用性のレベルや機能は一様ではなく、どれがお客様にとって最適な選択肢であるかは、お客様側の用途、要求水準、利用環境などに大きく左右されます。
ただ、どのようなお客様にも「LifeKeeper」という製品を浸透させるには何をすべきか。必要とされるユーザーの方に選んでいただき、ご期待に添うために必要なことは――。戦略を練り、施策に落とし込んでいくのが、私の役目です。
「顧客の心理を冷静に読み解きながら、市場を拡げる次の一手を打つ」と語る第1事業部 BC事業企画部 BC事業企画グループの鈴木健一
― サイオスではそのような施策をすでに打ち出しているのでは?
鈴木:ええ、サイオスではすでにこうした施策を打ってきました。ただ昨今は、インターネットからこれまで以上にHAクラスタリングに関するさまざまな情報を入手しやすくなったこともあり、お客様の購買行動にも変化が生じています。
言い換えると、膨大な情報が飛び交う中でLifeKeeperの情報が埋もれないようにお届けするための一層の工夫が必要になっているのです。私たちは営業活動やWeb、各種イベントなどの機会やチャネルを介して得られるデータを分析し、効果的な施策を立案しているところです。
一方、LifeKeeperをエンドユーザーに提案・提供するパートナー各社の立場でみると、LifeKeeperは販売もしくはシステムに組み込む数多くある商材のうちの一つです。ユーザーからの引き合いが強いほどパートナー各社にとって魅力ある商材となりますから、ユーザーからの引き合いを強くすることと、具体的な引き合いの情報に基づいてパートナーを適切にマッチングする機会を増やしていくことがパートナーへのメリットになり、ひいては市場全体を拡大させていく原動力となります。
最近の際立った動きとして従来の市場に加えて、新たな考え方を持つユーザー層が生まれている点が挙げられます。一例が、クラウドなどの技術や市場の進展です。利用するユーザーや、クラウド事業者、クラウドインテグレーションを行うパートナーに対する情報提供や各種支援策を推進することにより、クラウド市場が活性化し、LifeKeeperを使っていただける機会が増えることになります。
すでに始めている具体的な取り組みの一つが、クラウドサービスの上でのLifeKeeperおよびDataKeeperを活用したソリューションの展開です。
OSSのRDMBS「PostgreSQL」やそれをベースとした商用製品とLifeKeeperの組み合わせにより、データベース環境の可用性をより向上させるための取り組みをパートナー企業と共に開始しました。
社会インフラや企業のビジネス基盤を支える取り組みの推進に対して同じ思いや志を持つ企業にぜひ参加していただきたいと思います。
このように、マーケティング活動を戦略的に取り組んでいくことにより、事業を成長し続けることができると考えています。
商談の局面への取り組みと市場全体への取り組み
― 顧客の支持を得るシナリオはどのようにして作っていくのでしょうか?
鈴木:大切なことは、お客様であるユーザーやパートナー各社から生きた情報を収集し、それにどう向き合うかを考えることです。
商談の現場に近い取り組みでは、キャラバン形式でお客様先に直接訪問をさせていただき、ヒアリングを実施するほか、日々お客様から直接話を聞いている営業ともコミュニケーションを図って、情報を集め、分析し、対策の立案を行います。また、定期的に開催されるプリセールス(→連載第3回 「お客様が価値を見出す提案とは」)ミーティングにおいては、お客様に提案している施策のねらいは何か。お客様から受けた要望を実現する具体策などを巡って、活発な意見交換が行われますが、マーケティングも積極的に関わります。
市場を俯瞰した取り組みでは、デジタルマーケティングツールを活用して、Web、メルマガ、デジタル広告などさまざまなチャネルから得られるデータからお客様のニーズを具体的に推測していき、お客様との接点を得るためのマーケティング施策に落とし込んでいきます。
LifeKeeperの導入にあたって評価を行う、そして運用を担うのはユーザー企業などのエンジニアが中心となりますから、マーケティング施策を企画するにあたっては、サイオス社内の技術部門、サポート部門のエンジニアや、パートナー向けの導入・運用トレーニングを担当するトレーニングエンジニアと連携することで、お客様の側で必要とする技術情報に漏れなく対応するように努めています。
一番打者として突破口を開く役割を目指す
― マーケティングを行う上で特に意識していることは何ですか?
鈴木:自分なりに練り上げて提案した戦略や施策は的中することもあれば、必ずしも思い通りにいかないこともあります。仮に思い通りにいかなくても、その原因を突き止め、次のアクションにつなげていくことが重要です。仮説と検証を重ねていく中で、新たな展開が拡がるためのヒントが見つかるからです。
新たな施策を始める際には、これまでの成功体験をいったん自分の中でリセットする勇気も必要です。新たなチャレンジは、私自身だけでなく、取り組むメンバーにとっても新しい体験ですから、お互いの立場を尊重しながら、どのようなことを目指すのか、粘り強く意見交換し、たどり着く目的地のイメージを共有することが大切だと思っています。
私は前職では、国内および外資系のIT企業やベンチャー企業でさまざまな事業開発に関わってきました。プロジェクトマネージャーやエンジニアとして医療機関、大手流通企業のシステム構築などのプロジェクトを推進したほか、海外のIT製品を国内で新たに販売するビジネスの立ち上げなどの案件にも関わりました。
その経験からですが、大きなプロジェクトになれば、そこに参加する人も考え方もさまざまですし、環境にも左右されるなど、計画通りには進まない前提で、代替案を用意して物事に取り組むようになりました。環境や他人の意思をコントロールするのは無理でも、自分自身の意識を変えていくことで物事を進めていくことはできます。周囲を巻き込むために、一歩ずつでもよいから成果を出すことが大事だと考えています。
― どのようなビジネスパーソンを目指していますか?
鈴木:私は学生時代に野球をやってきて、厳しい環境での練習を数多く経験してきましたが、ビジネスでも突破口を開けるような役回りを演じたいと思っています。
実際に突破口を開いていくことを間近で経験させていただいた、尊敬するビジネスの先輩方がいますが、私もそうしたロールモデルになれるように、チャレンジし続けたいと思います。
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