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「利用する人の立場になって開発すること」を心がけ、チーム全体で取り組む

【LifeKeeperのプロフェッショナルたち #4】HAクラスターソフト「LifeKeeper」を世の中に送り出す、サイオスのプロフェッショナルチームに迫るシリーズ。今回は製品開発チームの黒田将貴に、アジャイル開発手法を取り入れた現場でどのように仕事に向き合っているのか尋ねました。

ピープル2017年1月18日

常にユーザーの立場で開発する

― これまでどのような業務に携わってきましたか?
黒田:新卒でサイオスに入社以来、これまでLifeKeeper製品の開発、お客様のシステム導入の支援、運用開始後のサポートなど様々な業務を担当してきました。そうした経験を踏まえて、この2年ほど新たなソフトウェア製品開発プロジェクトのエンジニアリングチームの一員として開発に携わっています。ゼロからの製品開発は「まだ見ぬ利用者」を想定しながらですので難しさがある半面、新たなビジネスを担う責任も大きく、やりがいを感じます。

― 製品開発で心がけていることは何ですか?
黒田:どの製品にも共通しますが、まずは利用する人の立場になって開発することを心がけています。
LifeKeeper製品では主に、重要なシステムを相手に日夜運用管理を行うお客様がユーザーになります。導入しやすさや運用の負荷軽減に考慮しながら、バージョンアップやオプション機能の拡充などを進めてきました。

今携わっている新製品の開発でもその方針は基本的には変わりませんが、さらに膨大な数のシステムを運用されるユーザーのニーズを考慮しています。製品リリース前なので詳しいことはまだお話しできませんが、サイオスの製品戦略を企画するチームやマーケティングチームとともに、ターゲットを想定し、利用者の視点になって「どんな製品であれば、喜んでいただけるか」を突き詰めながら開発しています。

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「製品開発は1人では決して完結できない」という第1事業部プロダクト開発1部ミドルウェア開発グループの黒田将貴

良い環境が、良い製品を生み出す

― プロジェクトチームではどのように開発が進められるのですか?
黒田:今回の製品開発では、アジャイル型の開発手法の一つとして知られる「スクラム」を採用しています。「スクラム」では、全体的なユーザーストーリーを作るところから始まり、それを細かなバックログに落とし込みます。

バックログで定義された開発が必要な機能や画面、またはドキュメント作成やレビューなどのタスクは、スプリントと呼ばれるサイクルの中で完了させ、成果物をその都度リリースしていきます。

リリース前には、プロトタイプをチーム内のレビュー担当者に見せて、チェックを受けます。その段階で「もっとこうした方がいいのではないか」と差戻しがあれば反映し、OKが出ればテストに移行します。テストに合格した機能や画面は晴れてリリースに至ります。

スプリントの期間はバックログに応じて柔軟に設定します。メンバーと共有するスクラム管理ツールの画面を睨みながら、「1つのタスクを終えるのにどれくらいの時間・コストがかかっているか」「レビュー段階で差戻しがあった場合はさらにどれくらい時間・コストがかかったか」などを把握し、スケジュールや予算の範囲内で、利用者のニーズと要求品質を満たす製品を追求します。

― 開発途中で当初と違う要望が出てきた場合、他の部分に影響したり、作り直しになったりする心配はないのでしょうか?
黒田:むしろ逆です。この方法では製品の完成形が早い段階で見えてくるため、開発プロジェクトのずっと後半になって「実は、ここはこうして欲しかったのに!」といった、大きな軌道修正が発生するリスクを抑えることができるのです。

当初のユーザーストーリーは曖昧なので修正は頻繁にありますが、早い段階からある程度動きが確認できるβ版を見せることで、製品企画チームやマーケティング担当者、会社幹部など関係者間で完成イメージを共有しやすく、合意のうえで駒を進められます。

開発も全体を統括するプロダクトオーナーの下で進められますが、チームメンバーの一人ひとりが、主体的な役割を担うことが特色です。

開発では主にコーディング、レビュー、テストという役割がありますが、メンバーの立場を固定せず、バックログごとにローテーションしていきます。私も3つの役割をこなしながら、機能や画面などを仕上げていきます。抜け漏れのチェックだけでなく、違う視点に立つことで、「こういう見方もあるのか」という発見や学びにつながります。

開発チームには先輩のエンジニアも、私より若手のエンジニアも混在していますが、レビュー時にはお互い気づいた点をすぐに忌憚なく意見交換できるようなフランクな雰囲気を作ることを意識しています。良い製品は、良い環境を作るところから始まると考えています。

製品開発はチームワーク

― もともとエンジニア志望だったのですか?
黒田:いいえ、大学は経済学部でした。ただ、新しい技術に対する好奇心があったこと、また手を動かして何かを作り出すものづくりが好きだったので、情報処理系の専門学校で学び直し、エンジニアを目指しました。
サイオスでは、チーム全体で何か一つのものを作っていくことの面白さ、またその中で自分自身が提案したものが採用される喜びや達成感を知りました。

― 目指すエンジニア像を教えてください。
黒田:一人で何かを作り上げてしまう天才肌のエンジニアも世の中にはいます。しかし私は、製品開発は一人では決して完結できないと思っています。製品戦略、リリース、品質保証、営業、プリセールス、サポートなど、様々な部署・立場の方とのやりとりが不可欠です。また、社内だけでなく、グループ会社や社外のパートナー企業と連携して開発する機会も多く、プレゼンテーションやファシリテーションなどのコミュニケーションスキルも求められます。

私は将来、何か一つの領域に秀でながらも、ビジネスや技術全般を含む広い視野を身につけたエンジニアになることを目指しています。今はまだまだ足りないところだらけですね(笑)。現在、開発プロジェクトは佳境を迎えていますが、最後までやり抜き、終わった時には社会人としても一回り大きくなっていたいと思います。

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