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社員一人ひとりの人生に関わる人事というシゴトの面白さ #4

米国事業会社SIOS Technology Corp.で人事全般をとりまとめるHead of People and Cultureを務めている坂本真琴さんに話を聞く今回のインタビュー。最終回は、大病の経験をきっかけに得た気づきについて聞きました。

カルチャー2022年12月12日

→社員一人ひとりの人生に関わる人事というシゴトの面白さ #3 はこちら

コロナ禍で発覚した乳がん

20201月頃から新型コロナウイルス感染症が拡大し始めました。社員のリモートワークが本格化したのはこの頃からです。

実はその頃ちょうど、私自身が乳がんに罹っていることがわかりました。感染拡大防止に向けた対応や、「Best Places To Work in South Carolina」の調査への対応(#2)などを含めて忙しい矢先でしたが、周りのメンバーがカバーしてくれました。リーダー達は「サーベイ(調査)のことも含めて人事のことは大丈夫だ。とにかくマコトは治療に専念するんだぞ」と激励してくれました。

仲間も応援してくれました。入院期間中、皆でピンクを基調にしたシャツを自作して、それを着て、がんばれマコト、とエールをくれる画像などSlackを通じて伝えてくれました。 

私はそれまで「彼ら、彼女らは私のクライアント。私がしっかり助けなきゃ」と考えて仕事をしていましたが、実はこの時を含めていつも助けられていたのは私のほうだった、と気づかされました。 

治療が一段落し、3カ月ほど経った頃、職務に復帰できました。乳がんになって良かったわけではないですが、私はこういう人たちと一緒に働いていて良かった、この会社の社員でよかった、と気づくことができたのは幸いでした。この人たちのために、これからも頑張りたいと思いましたね。

ところで近頃、STCの若手社員の1人が日本に興味を持ち始めて、日本語を学びたいと私に相談してきました。「マコトさん、ネイティブだから日本語を教えて欲しい」と。その話が周囲の仲間にも伝わって、僕たちにも教えて欲しい、ちょっとでいいからレッスンの機会を設けよう、となって週一回30分ですが、簡単な日本語教室をやっています。ひらがなの書き方とか、日本における四季折々の代表的な行事などの文化について私や日本語ネイティブの社員が話をしています。 

会社から言われて、やらされて、というわけではなくて、自発的に社員がアイデアを出し合って、社員主体で取り組むことが「belonging(ビロンギング)」感を高める上で効果的だと思います。

 国境を超えた一体感が生まれるような会社に

 ―― STCに就職したいという方にはどのように話しているのですか。

求職者には、「サイオスはグーグルやアマゾンのような大企業ではないです。でも、規模が小さいからこそなんでもチャレンジできる会社です」と伝えています。私自身もアウトソーシングしていた人事総務系業務のインハウス化や、会社のビジネスを知る取り組み、Stay interviewによる社員の理解など、機会をたくさん与えてもらいました。 

―― 今後チャレンジしたいことを教えてください。

2019年にCEOの喜多と面談をした際、この会社の魅力は「人」なんだ、誰と話してもなぜここにいるかと尋ねると「人」と答える、と説明しました。人を大切にすることが、そのまま会社の成長につながるような会社にしたいと伝えました。喜多も近い思いだったのではないか、と考えています。 その席で、「Head of people and culture」の役職を受けました。この役職では、人事戦略の立案、施策の遂行、評価を含めてトータルに任されます。

人事は一人ひとりと接することができます。そして、その人の人生にすごくプラスになるようなこともできる仕事です。私にはとってはとてもやりがいがある、特別な職業です。

サイオスはさまざまな国の人がいます。グローバルな会社だと思います。日本に本社のあるサイオステクノロジーを含めて、グローバルなレベルで社員の一体感、「belonging(ビロンギング)」感が湧いてくるようにするために、人事としてどのような恩返しができるのだろうか、と考えています。大きなチャレンジですが、一人ひとりにやりがいのある会社にしていけるといいかな、と思います。

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米国事業会社SIOS Technology Corp.
「Head of People and Culture」の坂本真琴さん