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お客様が価値を見出す提案とは

【LifeKeeperのプロフェッショナルたち #2】サイオスが開発・提供するHA(高可用性)クラスターソフトウェア「LifeKeeper」。プロジェクトチームの橋渡し役となるプリセールスの西下容史はどんな思いを胸に日々、お客様やチームメンバーと接しているのか、聞きました。

ピープル2016年12月14日

営業、開発、サポートの "ハブ" になる

― LifeKeeper製品を提供する上で、プリセールスが果たす役割とは?
西下:まずはお客様の要望を伺い、それに基づいて定義したシステム要件を提案し、成約に結び付けるのがプリセールスの仕事です。
LifeKeeperはサーバー、ストレージ、ネットワーク製品と組み合わせて利用するエンタープライズ向けのソフトウェア製品です。近年は物理サーバーだけでなく、クラウドサービスでのHAクラスターに対するニーズが高まっています。お客様のシステム環境をいかに適切な形に統合していくか。広範な知識と経験が求められます。

案件を成約に結び付けるには同時に、営業、開発、サポートも含めて緊密なチームワークが不可欠です。私は各現場の進捗や負荷を確認しながら、その間で "ハブ" となって情報の橋渡しを行います。

― LifeKeeperは組み合わせて使う、ということですが、サーバーやストレージ、ネットワークを構成する製品は各メーカー各社から多く発売されていますね。
西下:それらがLifeKeeperのARK(Application Recovery Kit : 容易にHAクラスターシステムが構築できるプリセットの仕組み)で稼働するのかどうか、あるはカスタマイズが必要かなどの判断は、システム構築のポイントです。LifeKeeper自体も新しい機能やオプション製品がリリースされていますから、きちんと動作することを社内や関係先とともに確認や検証をしたうえでタイミングを見ながら提案することが鍵になります。

さまざまな製品・サービスをサポートするLifeKeeper

案件への入り方も多岐にわたります。例えば、サポート対応がきっかけとなって、お客様への課題解決の提案機会をつかむこともあります。常日頃、各部署の担当者とマメにコミュニケーションを取ることが大切なんです。


「技術と営業の両方の知見を活かし、さすがと思われる仕事をしたい」という第1事業部BC事業企画部BC事業企画グループの西下容史

― プリセールスの道を選んだのは、なぜですか?
西下:もともと私はアプリケーション開発を行うコテコテのエンジニアでして、メインフレームのミドルウェアをアセンブラで開発していた時期もあります。その後、国内および外資系のIT企業などで、システムを構築するSE、技術営業、そして営業職を一通り経験しました。その頃は仕事を選り好みせず、チャンスをもらえば夢中で飛びついてきたのですが、気づくと結果的に自分の仕事のフィールドはかなり広がっていました。

こうして技術と営業、両方の領域を担当してきた中で、「製品に関する技術を理解しながら最前線で動くプリセールスが自分の性分に合っているな」と思うようになりました。その折に縁あってサイオスに入社して今に至っています。

相手の言葉から真意を引き出す

― 西下さんがプリセールスとして心掛けていることは何ですか?
西下:お客様の要望に対して「できません」と答えるのは簡単です。しかし、リスクを取らない分、売上にもつながりません。
反対に「できます」と安請け合いして万が一頓挫してしまったら、結果的にお客様にも、プロジェクトチームのメンバーにも大きな迷惑をかけることになってしまいます。そういう意味では、プレッシャーのかかる仕事です。営業が数字に対する責任を負っているように、プリセールスはビジネスとして成立することを踏まえたうえで、システムの要件をまとめる責任があると思っています。

システムの可用性という要件は、サーバー、ストレージ、ネットワークなどの性能やキャパシティといった機能要件に比べると目立ちにくく、後回しになりがちです。

しかし、お客様には「もし停止すると、ビジネスにどれくらい影響が出ますか」とシステム障害が起こった場合のリスク規模感をお尋ねして、それに見合った備えをご検討いただくようにしています。仮に物理的な故障の場合、交換する部品の調達に日数がかることもあります。その間、代替できる仕組みがなければ、顧客へのサービスはストップしてしまい、取り返せない損失が出る可能性も否めません。

「15人が利用するファイルサーバー」と、「1000人が利用する業務システム」に求められる可用性は異なります。心掛けているのは、向き合う相手の気持ちと同じ水準になることです。「お客様が本当にやりたいことは何ですか」と、真意を掴むように心がけています。

お客様が何に価値を感じるかを見定める

― 西下さんが目指すプロフェッショナル像とは?
西下:いくつかありますが大事なのは、『さすがだな』、という仕事をすることだと思います。その積み重ねの結果として、「この人ならば、安心して任せられるな」と思っていただける人が本当のプロではないでしょうか。こういう人は、お客様からはもちろん、プロジェクトのチームメンバー、上司や部下からの信頼も厚いですね。

目指すプロの姿に関わりますが、お客様から「こういうことをやりたいのだが、サイオスの製品では難しいだろうか?」としばしば尋ねられます。確かに一見難しそうな案件でも、よく聞くとLifeKeeperやDataKeeperが活用できる余地がありそうだな、とピンと直感することがあります。そのような手ごわい案件、際どい案件ほど私は燃えてきますね(笑)。誰でもできること、言われたことを、その通りにやるのであれば、必ずしも私でなくてよいわけですから。

会話のニュアンスから意図を読み取り、先手を打って「こんなこともできますよ」と提案した時に「そんなこともできるのですか! ならばそちらに任せたいのですが」と話が展開し、結果的に成約に結び付く場面も少なくありません。社内の関係者にも事前に調整を済ませてすばやく動き、勝算をもって臨んだ提案で成約できた時は最高です。

お客様が求められることをLifeKeeperで満たし、お客様に喜んで頂ければベストです。LifeKeeperという製品そのものの機能は成熟していますが、お客様が選択して対価を支払ってくださるのは、そこに何らかの価値を見出していただけるからこそ、ではないかと思います。

お客様が価値を見出していただけるポイントは、期待を上回る提案力や、案件をやり抜く力だと考えており、そのためには地道な努力を積み重ねていくことかなと思います。

「さすが」と思われるプロフェッショナルを目指して、これからも関わる相手の気持ちを忘れずに仕事をしていきたいですね。

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