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まだ見ぬ事例やプロダクトを創る

【サイオスグループ役員インタビュー】第2事業部のミッションは、既存ビジネスと並行しながら、次世代の新たな事業領域を創造すること。プロダクト&サービス事業、そしてビッグデータ事業をマネジメントする執行役員 第2事業部 副事業部長の川田覚也は、その背景として市場のある変化を指摘します。

ピープル2015年10月28日

次の転換期を迎えるIT業界

2015年7月、マイクロソフト社がフロリダ州オーランドで開催したイベントに参加した時のことです。エンタープライズITは一つの転換期を迎えたな、という印象をあらためて持ちました。所有(オンプレミス)から利用(クラウドサービス)へ、というトレンドはもはや本流です。マイクロソフト社のクラウドおよびオープンソースソフトウェアに対する取り組み、今後の戦略を垣間見ることができた点で貴重な場でした。

振り返るとエンタープライズITを取り巻く状況は、1960年代にメインフレームが登場して以来、10年から20年ほどの周期で変貌し続けています。70年代はUNIXおよびUNIX系OSの進化によってコンピューターハードウェアのオープン化が進み、80年代は、パソコンの性能向上と相まってクライアント/サーバーシステムによる業務の刷新が促されました。90年代以降は通信の自由化とともにインターネット利用が拡大。2000年代はモバイルが身近な存在になり、2010年頃からSaaSなどのクラウドサービスが次々と登場。今日はXaaSおよびモバイルコンピューティングのプラットフォームが各社から相次いで発表されるなど、運用を見据えたシステムを短期間に開発するDevOpsの只中にあります。2020年になると、数百億あるいはそれを遥かに超える膨大な数のデバイスが、インターネットへ接続する世界(IoT/M2M)が到来するでしょう。どのような変革が世の中にもたらされるのか。想像を上回るイノベーションが起きると思います。

― そうした劇的なうねりの中で、サイオスは1997年の創業以来、一貫してOSSおよびクラウドサービスを活用したシステムの構築、プロダクト/サービスの提供を手がけてきましたね。
その通りです。しかし、エンタープライズITを取り巻く環境は、先述のように10年足らずでどんどん変わっています。したがって、私たちサイオスも、これまでのビジネス環境に安住せず、むしろダイナミックな変化を先取りするスタートアップ企業であり続けることを肝に銘じ、研究開発や新たな事業領域の創造を進めているところです。

サイオスでは目下、第1事業部が既存ビジネスを柱に、第2事業部がプロフェッショナルサービスやクラウドを活用したサービス、機械学習機能を搭載した仮想化の最適化ソリューションを展開する4つの事業と新規事業開発に注力しています。

― 第2事業部における3つの事業とは、「ビッグデータ事業」「プロダクト&サービス事業」「SIOS iQ事業」ですね。そのうち、川田さんが事業企画を兼務している「ビッグデータ事業」および、「プロダクト&サービス事業」では、日々どのようなことに取り組まれているのでしょうか。
まず、クラウドサービスやオンプレ、商用プロダクトやOSSを適材適所で組み合わせ、お客様のビジネス課題の解決や、事業発展・成長を促すシステムを構築するのが「プロダクト&サービス事業」です。そして、特にビッグデータの分析プラットフォームを構築・提供するのが「ビッグデータ事業」です。いずれも最新のクラウド技術を取り入れるクラウドインテグレーションにより、短期間でのシステム構築および、お客様の運用保守における負荷軽減を実現しています。

多種多様なデータを統合・分析する「 ビッグデータ事業」

ところで「ビッグデータ」と呼ばれる技術またはビジネス領域が出現した背景は、OSSの存在を抜きに語ることはできません。膨大なデータを取り扱うための分散処理基盤Apache Hadoop、ログ収集のプラットフォームfluentd、データを格納するドキュメント指向データベースMongoDB、分散ストレージCeph(セフ)など多様なOSSが、ビッグデータにおける取り扱いの敷居を下げました。

とはいえ、既存のビジネス環境に眠るデータ資産を棚卸しし、最適なOSSを組み合わせ、さまざまな経営上の意思決定を支援する仕組みを作るには、やはり高度な専門性が必要です。とはいえ、そのための人材を社内で育成するのは簡単ではありません。

そうした課題に直面するお客様をサポートするのが、ビッグデータの収集・加工から、データストア、データマート、データ分析の基盤システムの構築までをトータルに支援する「ビッグデータワンストップソリューション」です。なかでも、データストアサービスは、トレジャーデータ社が提供するビッグデータ分析のクラウドサービス「Treasure Data Cloud Data Warehousing Service」を利用しています。これはサイオスが日本国内で最も早く販売を開始したソリューションです。

トレジャーデータは、クラウド型のデータマネージメントサービスで、WebのログデータやIoT/M2Mにおけるセンサーデータなどを収集するのに適しています。一方で、企業内に散在するERPやCRMなどに蓄積される構造化データなど多様なデータを適切に収集・分析することで、お客様はビジネスの価値を高める発見や、効果的な仮説検証の仕組みを手にすることができます。


SIOS BigData One Stop Solutionの概要

なお、サイオスでは、データ分析プラットフォームの構築を短時間で体験できるハンズオンセミナーを開催しています。データ分析に興味のある方、既存の仕組みに課題を感じている現場担当者の方におススメのセミナーです。ぜひ気軽にご参加ください。

お客様固有の課題を解決 「プロダクト&サービス事業」

一方、「プロダクト&サービス事業」では、サイオスの技術力とクラウドサービスを融合させたシステムインテグレーション(クラウドインテグレーション)サービスを通じて、お客様固有のビジネス課題を、将来の技術や市場の動向などを視野に入れながら、その時々のベストなアプローチを駆使して解決します。

直近では、OSSの運用監視ツールZabbixの導入や、同じくOSSとして提供される高性能なWebアプリケーションアクセラレータNginxの構築案件などが増えています。
また、多数のシステム構築実績で浮かび上がった共通課題解決やお客様のニーズから、私たちは、新たなプロダクトやサービスを創造することを重要なミッションに掲げています。その思いを込めて、事業名を2014年に従来のプロフェッショナルサービス事業から、「プロダクト&サービス事業」に改めました。

― 一般企業だけでなく、教育機関での好事例も少なくないようですね。
サイオスはこれまで100校以上の教育機関において、Google AppsやOffice 365といったクラウドサービスおよび、SAMLを用いたグローバルSSOシステム、学術認証フェデレーションを用いた認証基盤の導入、「LDAP Manager」を用いた統合ID管理などの構築を支援してきました。学生および教職員数を合わせて10万人規模のアカウントを管理する統合ID基盤を構築した実績もあります。

最近はクラウドファースト、などと言われますが、民間企業だけでなく教育機関においても、システムの設計、構築、移行を短期間に実現するために「オンプレミスからクラウドサービスへ」という選択がなされるようになっています。AWSやAzureなどの導入もかなりの勢いで進んでいます。

同時に、クラウドのシステム導入が進む中、セキュリティーを担保する重要性はますます高まっています。

サイオスでは、多要素認証ソフトウェアトークン方式のワンタイムパスワードソリューションの採用を進めるなど、クラウドシステムのセキュリティーを担保する仕組みを、さまざまなパートナーと連携して提供しています。

経験を通して成長する

― ところで、こうした事例を通じて、さまざまなノウハウがプロジェクトの現場に蓄積されそうですね。
そうです。蓄積されたノウハウが、新しいプロダクトやサービスの閃き、またはアイディアにつながります。もちろん、アイディアを目に見える形に変え、多くの関係者を巻き込む新規のプロダクトやサービスの事業立ち上げをやり遂げる、というのは一筋縄では行きません。発足時のわずかなメンバーから事業としての体制を整えていくまでに、企画、開発、ファイナンス、営業・販売、プロモーション、など一通りこなしていく必要があります。

サイオスには、そのような場を経験するチャンスがたくさんあります。

目標があり、それに向かって一つの方向性を持ち、チームのメンバーとともに走る。こればかりは経験してみないと分からないと思いますが、現場を任され、自分で考え、能動的に臨む仕事は、あまり苦にならないものです。私も過去に、連日のように日付が変わる頃まで仕事をして、近場のカプセルホテルを予約してから仲間と飲みに行って、翌日の英気を養う、といった現場をいくつも経験してきました。

そう聞くと、"えっ、ブラックじゃないの"と言われかねない昨今ですので、言い方に気を付けなければなりませんが(笑)、嫌だと思ったことはないですね。「苦労が苦労じゃない」と思ってやり続けられたのは、自ら目標を立て、仲間と共有し、ともに乗り越える達成感があるからです。「(誰かから命令された)やらされ仕事」だったらそうはいかないでしょうね。

― もちろん、"産みの苦しみ"はありますよね。
物事に向き不向きはありますが、ある時期そういった、もがく経験をさせてもらった。そのことで、私自身が成長したな、というのが実感です。今思うと、ありがたい経験でしたね。2003年頃から十年くらい、私が30代後半から40代にかけての時期です。

当時携わったプロダクトセールスやパートナーセールスのマネジメント業務を挙げると、Red Hat事業、HAクラスターソフトウェア「LifeKeeper」、OSSよろず相談室などのOSS領域のビジネス推進、Google Appsなどのクラウドサービスを含めたソリューションビジネスの発足などです。エンジニアの視点を持つソリューション営業としての経験を生かして、ビジネスプランを立案するなど、事業の立ち上げを任されることが多々ありました。

次は、私よりもっと若い人に、どんどん新しいことにチャレンジしてほしいと考えています。

― その中で川田さんの担う役割とは。
私はいま以上に若手が活躍できる場を提供したい、活気にあふれた自由闊達な職場を作っていきたい、と考えています。劇的な変化の波が訪れるこの世界にあって、新しいものを作る上で若手の活躍が不可欠です。一方で、私自身もまだまだ成長し続けます。皆で大きな成功をつかめるように頑張っていきますよ。

川田覚也(Kakuya Kawata)
サイオステクノロジー 執行役員 第2事業部 副事業部長
会社を離れれば、スポーツをこよなく愛する一面も。中学、高校時代にバレーボールで鍛えた球際の強さを活かし、社会人になってからも、草野球、草テニス、ゴルフなど球技全般にチャレンジ。冬場は家族でのスキーなど、アウトドアでのリフレッシュを楽しんでいる。

(取材/2015年7月)