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精神科病院向け電子カルテサービス「INDIGO NOTE」の特長を紹介

2022年7月2日に開催された「第26回日本医療情報学会春季学術大会」。そのセッションの中でサイオステクノロジーは、次世代医療情報交換規約「HL7 FHIR」を採用した精神科病院向け電子カルテサービス「INDIGO NOTE(インディゴノート)」を紹介しました。

テクノロジー2022年7月29日

データの交換形式だけでなく保存形式も「HL7 FHIR」に対応

「日本医療情報学会春季学術大会 シンポジウム2022 in せとうち」と銘打って行われたイベントでは多数の講演やセッション、発表が繰り広げられました。

その中のセッションの1つ、「データヘルス時代の電子カルテのアーキテクチャ考」では、サイオステクノロジーで「INDIGO NOTE」の事業を担当する、取締役専務執行役員 川田覚也が登壇し、実際の操作画面を表示しながらその特長や開発における挑戦、今後の展望について述べました。

INDIGO NOTEは、医療法人社団成仁による委託・監修・設計のもと、開発された精神科病院向け電子カルテサービスです。その大きな特長は次の3つです。

  1. フルクラウドサービス
  2. 厚生労働省標準規格準拠へのとりくみ
  3. 最新の情報アーキテクチャ思想にもとづいた設計およびIT技術の活用

「INDIGO NOTEはGoogle Cloudを利用したフルクラウドサービスです。医療情報は国内に物理的に所在するデータセンター内に限定して管理しています。また、データの交換のみならず、これまで独自のデータ保存形式での管理が主流であった電子カルテサービスにおいて、次世代医療情報交換規約「HL7 FHIR*1」に準拠したクラウドサービスを国内で初採用*2しています。また、保健医療情報分野の標準規格(厚生労働省標準規格)にもとづき、検査、処方、病名等は標準マスターに準拠しています」(川田)

数々の技術的な課題を克服

HL7 FHIRは、策定中の仕様を含む新しい規格であるため、その実装に向けては前例がほとんどない技術的なチャレンジがいくつもありました。
たとえば、保健医療情報分野におけるデータのマッピングでは、愛媛大学医学部医療情報講座との共同研究という形で連携して進めました。また、FHIRのREST APIで不足していた検索機能の強化やスピード、大量データの連結、排他制御の実装などは、クラウドで提供されるサービスや機能、OSS(オープソースソフトウェア)などを駆使して解決していきました。

INDIGO NOTEの特長には、将来的なINDIGO NOTEのユーザー数の増加や機能の追加開発・改修といった環境変化を見据えた最新の設計思想およびIT技術の活用があります。サービスや機能単位での開発・運用効率が高くスケーリング能力に優れたコンテナ技術や、サービスのニーズに合わせて最適な技術を選択できるマイクロアーキテクチャに基づく柔軟なシステム構成です。

川田は今後の展望として「サイオステクノロジーが培ってきたIT分野の技術力を活かした医療機関向けのご提案、たとえばヘルスケアデータとAIを掛け合わせたサービスなどを通じて医療技術分野のさらなる進展に貢献したいと考えています」と述べました。


*1 FHIR「Fast Healthcare Interoperability Resource」の略称。「ファイア」と読む。
*2 国内で初採用 2022年1月26日現在、弊社調べ

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