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あらゆるサブスクリプションビジネスのプラットフォームとなる画期的なサービス『SIOS bilink』~後編~

【社内インタビュー】サブスクリプションビジネスをスタートする企業を後押しする『SIOS bilink』(サイオス ビリンク)の提供をサイオステクノロジーでは2019年6月に開始しました。前編に続き、そのコンセプトや特長について、開発担当のキーパーソンに話を聞きました。

テクノロジー2019年9月 2日

記事前編は、こちらから。

クラウドネイティブな発想とオープンソースで、サイオスらしさを

従来は、お客様先の環境に合わせてシステムを導入する、というのが当たり前の考えでしたが、サブスクリプションビジネス支援プラットフォーム『SIOS bilink』は、それぞれのニーズに合わせてSaaS版のほか、オンプレミス版でも提供できます。また、オンプレミス版であっても一度導入したらそれで終わりではなく、私たちのリポジトリ(repository)* にアクセスいただければ、いつでも最新バージョンが利用できるアーキテクチャを整えています。加えて、オンプレミス版ならではのメリットとして、SaaSやPaaSビジネスを行っている事業者が、自社サービスの1コンポーネントとして、バンドルして使っていただける点が挙げられます。

『SIOS bilink』は、お客様のニーズに柔軟に対応しながら絶えず進化し続けるプラットフォームサービスを目指し、どんなクラウドの環境であっても、特定の環境や有償システムに縛られないアーキテクチャを提供したいと考えています。このクラウドネイティブな考えと、オープンソースにコミットしているという点は、まさにサイオスらしい発想だと思います。

外に向かって展開し、大きなマーケットを創造する

サブスクリプションビジネスに新規参入する企業は、「課金額をどう設定したらよいのか」という問題に直面します。また、今ある商品やサービスの料金をサブスクリプションに置き換えた場合に、「いくらなら顧客が納得する値段になるのか」、同業他社の傾向も分析しつつ、自社の収益とのバランスも考えなければなりません。このような課題は、現況のビジネスと利用動向を正確なログデータとして収集し、分析することで解決できます。

『SIOS bilink』は、従量課金に使える指標をプラットフォーム上に置き、サービスの一部として各社がGUI上で自由に利用できる環境を目指しています。また、各社から蓄積した匿名加工済みのビックデータを活用して販売履歴の分析を進めていくと、各ユーザーに合ったサービスを先回りして提案できるなど、新たなビジネスチャンスが生まれてきます。潜在化するテールに近いニーズの掘り起こしが容易に実現できるような、データや解析ツールの提供までを目指しています。

また、『SIOS bilink』は、ERP(Enterprise Resources Planning)の一部というよりも、RPA(Robotic Process Automation)に近いと考えています。SoR(Systems of Record)であるERPパッケージでは不可能な部分や、外部とエンゲージするような仕組みは、サイオステクノロジーがオプションという形で提供しますので、一緒にAPIエコノミーでやりましょう、と投げかけているのです。さらに、企業間を超えたデータベースが蓄積されれば、機械学習の精度も上がりますので、データ収集に協力してくれるユーザー企業や、『SIOS bilink』をOEMとして使ってみたい、というパートナー企業からのアプローチは大歓迎です。

一方で、プログラムの世界には、高レベルAPIと低レベルAPIというのがあります。低レベルAPIは基本的操作を実現するベーシックな機能群で、複数の機能群をつなぎ合わせて誰でも使えるサブセットをくみ上げます。『SIOS bilink』の成長も同じようなイメージで考えています。今回6月に発表した『SIOS bilink』β版は、現時点では基本的なAPIを一式揃えた段階です。これに反応してくれたユーザーのニーズを広く拾い集め、さらにマーケットインとして投入すべき仕組みを取り入れながら、高レベルAPIへと徐々に整えていきます。そういったサイクルで、サブスクリプションビジネス市場の成熟とともに『SIOS bilink』も成熟していく、という考えに共感していただける企業と、一緒に成長していきたいですね。

* アプリケーション開発の環境において、ソースコードや設計、データの仕様といった情報が保管されているデータベースのこと。

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サイオステクノロジー 第2事業部 技術2部 アプリケーションコンサルティンググループ 槌野 雅敏

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