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APIを活用したデジタル変革のポイント

2017年4月27日、レッドハット株式会社で「デジタル変革を実現するAPI活用の先端事例」セミナーが開催されました。サイオステクノロジー APIエコノミー推進部長 二瓶司が登壇し、APIエコシステムの海外事例とAPIマネジメント環境の導入ポイントを解説しました。

テクノロジー2017年5月30日

デジタル技術を駆使し、革新的なビジネスモデルやエコシステムを創る「Digital Transformation(デジタル変革)」。実現を目指すうえで、多様なサービスを結ぶAPI(Applilcation Programming Interface)と、その管理の必要性が増しています。「デジタル変革を実現するAPI活用の先端事例」と題する本セミナーでは、APIを活用してデジタル変革を進める国内外の事例が紹介されました。

将来の拡張を見据えたAPIマネジメントが必要

セミナーの冒頭、「APIエコノミー友の会」メンバーで、サイオステクノロジー APIエコノミー推進部長の二瓶司が先行する米国のAPIエコシステムの事例を交えながら、APIビジネスを効果的に展開するうえで不可欠なAPIマネジメントシステムの選択ポイントを説明しました。

「米国では自社のAPI基盤を開示する企業が銀行を中心とする金融、EC、製造業、IoTなどで拡がりを見せています。また、マーケットプレイスやIoT基盤、支援サービスも伸びており、APIエコノミーが加速しています。プレイヤーが揃ってきたことで、異業種とのコラボレーションや各領域での深化という次のフェーズへの移行が始まっています」(二瓶)


「米国におけるAPIエコシステム事例」について講演したサイオステクノロジー APIエコノミー推進部長 二瓶司

特徴的な米国の事例として二瓶は、約400社の航空会社をはじめ、鉄道会社やホテルに向けて予約発券システムのAPIを公開するSabre(セーバー)社の事例と、家庭向けにCATV、携帯電話、ホームセキュリティ、HEMS(Home Energy Management System)などの複数のサービスをAPIを介してワンパッケージで提供するCOMCAST社の取り組みを紹介しました。

このような海外の動向を受けて、日本においても、APIビジネスに取り組もうという機運が業界を超えて高まりを見せています。
「APIビジネスを進める場合に『まずは小規模なプライベートAPIから』というスモールスタートのアプローチは有効です。ただし、公開するAPIの接続先が50、100......とスケールアウトしていくと、APIを管理する概念が必要になります」と二瓶は指摘します。例えば、提供するAPIに関する適切な情報公開の仕組み、利用申込の受付やアカウント管理を行うポータル機能、通信時に割り当てる帯域やセキュリティ、可用性の管理、そして利用状況を可視化するトラッキングなどの機能が、API管理の対象として重要と述べました。

「管理業務を効率化するAPIマネジメントのソリューションも複数ありますが、それぞれ適した用途や特性があるので注意が求められます。サイオスでは、マネジメントの仕組みを含めたAPIエコノミー構築支援のためのサービスを提供しています。ぜひご活用ください」と二瓶は呼びかけました。

APIを互いに公開・活用するエコシステムは利用者視点で

セミナー後半では、APIビジネスを手がける各社が事例を発表しました。

IoT無線照明制御システムを提供するNetLED株式会社では、照明を有効活用した機器の連携や、センサーから収集した一つの事象に関するデータを他のさまざまなシステムに渡して多角的に利用する研究開発を進めています。講演では照明を活用した案内サービスや心地よい環境づくり、防犯システムなど多岐にわたる分野で新たな価値を探る取り組みが紹介されました。

続いて、ヤフー株式会社ではiPhoneおよびAndroid向けの「myThingsアプリ」開発の背景やねらいを説明しました。このアプリは利用者が日頃使う「ヤフオク!」や「LINE」などのサービス・IoTプロダクト同士を「もし○○だったら□□する」という構文にあてはめるだけで手軽に連携させることができます。現時点で50以上のサービス・IoTプロダクトの連携が可能になっていますが、同社ではさらに多様なコンテンツホルダーと連携を図ることでオープンイノベーションを進めたいと述べました。

レッドハット株式会社では、同社の提供するAPIマネジメントプラットフォーム「3scale」を用いた海外の先行事例を紹介しました。食品、空港、学術出版と分野は異なるものの、カスタマーエクスペリエンスを継続的に改善する顧客中心のデジタル変革の手段としてAPIを用いる点を強調しました。

変化に適応し、ビジネスを成長させるため、相互にAPIを整備・公開・活用する企業の取り組みに関心が集まっています。サイオスでは、今後もさまざまなイベントを通じて皆さまとの情報交流を進めていく予定ですので、どうぞご期待ください!

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