JSAWI 2021シンポジウムで優秀演題賞を受賞 東京大学との共同研究「深層学習による子宮肉腫鑑別診断の研究」

2021年9月 7日サイオス

 東京大学 豊原佑典大学院生、曾根献文講師、黒川遼研究員らとサイオステクノロジー株式会社 野田勝彦、吉田要らの研究グループは、2021年9月3日(金)から4日(土)に淡路夢舞台国際会議場にて開催された第22回JSAWI 2021シンポジウムで「深層学習による子宮肉腫鑑別診断の研究」の研究成果を発表し、優秀演題賞を受賞しました。

 子宮肉腫の標準治療には子宮全摘術が必要で、子宮腫瘤病変(しきゅうしゅりゅうびょうへん)に対する術式選択として、妊孕性温存(にんようせいおんぞん)、術中播種防止(じゅっちゅうはしゅぼうし)の観点から術前の子宮筋腫との鑑別が重要です。
 術前診断としてMRI(磁気共鳴画像:Magnetic Resonance Imaging)が有用ですが、診断精度は確立されていません。 MRI画像を用い、子宮肉腫および子宮筋腫を正確に鑑別できれば、適切な術式を選択できると考えられます。

 同研究グループは、東京大学医学部附属病院、東京都立駒込病院、公立昭和病院の共同で、術後病理学的な確定診断を得た子宮肉腫 61 例(子宮平滑筋肉腫、子宮内膜間質肉腫、未分化子宮内膜肉腫、悪性度不明な子宮平滑筋腫瘍(STUMP)を含む)子宮筋腫 200 例の術前 MRI 画像を収集し、T1 強調画像・T2 強調画像(脂肪抑制条件、造影条件も含む)、拡散強調画像を使用し、子宮肉腫および子宮筋腫を鑑別するための人工知能を開発しました。

 画像種別の平均正答率は T2 強調軸位断画像、T2 強調矢状断画像、拡散強調画像で最も良好な診断成績で、腫瘍部位画像のみの学習および全画像学習において 0.83-0.85 でした。画像種別の組み合わせによる評価では、「T2 強調軸位断画像 +T2 強調矢状断画像 + 拡散強調画像」の組み合わせの診断成績が最も良好で、正答率 0.9023(感度 0.897、特異度0.9076)と、画像の組み合わせにより診断成績の向上を認めましたが、画像種類数に比例した診断成績の向上は認められませんでした。

 本研究において、深層学習を用いた人工知能による子宮肉腫の術前 MRI 画像診断精度は正答率 0.9 相当に達し、有用であることの可能性が示され、今後の症例数増加により、更なる診断精度の向上が期待されます。