LifeKeeper v10 ローンチイベント「新章披露の宴」を開催
HAクラスターソフトウェア「LifeKeeper v10」の提供開始に合わせて2025年11月19日、進化したコンセプトやデザイン・機能などを発表するイベントが観世能楽堂で開催されました。LifeKeeperがこれまで築き、守り、継承・継続してきたものと今後の展望についてお伝えします。
製品・サービス2025年12月23日
能とLifeKeeperの共通点
LifeKeeperは米国での販売開始から20年以上の歴史を持つソフトウェアです。お客様のビジネス基盤を支えるシステムの可用性を担保するソリューションとして機能と使いやすさに改良を重ね、多くのパートナー企業との協業で発展してきたLifeKeeperが、大きな進化を遂げようとしています。
10年ぶりのメジャーバージョンアップの発表の場として選ばれたのは、2017年に渋谷区松濤から中央区銀座に総檜造りの舞台を移築した観世能楽堂です。
能は、シテと呼ばれる主役が謡や囃子に合わせて舞いを披露します。舞台全体の準備や進行を監督する役割を担う後見がおり、万が一、シテが演じられなくなった時には後見が代役を担うこともあります。
サイオステクノロジーでLifeKeeper事業をリードしてきたBC&CS SLヘッドの御舩洋は「600年以上の歴史を持つ伝統芸能である能は、型を守り伝えることを大切にされています。その長い歴史には及びませんが、LifeKeeperもお客様のビジネス基盤であるシステムを裏方で守る、サービスおよび事業を継続するためにお支えするという『型』をこれまで築いてきたと自負しています」(御舩)
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サイオステクノロジー株式会社 常務執行役員 御舩 洋
人材不足でも要請される社会基盤としての信頼性
能は時代や社会の変化に合わせて革新を重ね、いまや日本が世界に誇る文化のひとつになりました。一方、サイオステクノロジーでは、LifeKeeperが提供する高可用性の実現という価値をより広く世の中に普及・定着させたいと日々取り組んできました。
特に、社会基盤としてのデジタル領域が拡大する中、これまで以上にITシステムに高い信頼性と確実な障害対策が要求される傾向にあります。同時にIT人材の減少や高齢化が進み、後継者の育成やスムーズな世代交代も求められています。
「こうした中2025年11月11日に発表したLifeKeeper v10は、新たなコンセプトに『全てをシンプルに、より分かりやすく、より使いやすく』を掲げました。その一端をご紹介します」(御舩)
LifeKeeper v10において進化した柱は大きく3つあります。「UI(ユーザーインターフェース)の刷新」「プロセスの洗練」「シームレスなコラボレーション」です。BC&CS SLサブヘッドの野宗貴史がそれぞれのポイントについて解説しました。
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サイオステクノロジー株式会社 執行役員 野宗 貴史
ツールの域を超えた「可用性のインテリジェンスプラットフォーム」へ
まず、ユーザーインターフェースの刷新については、ウェブベースのGUIを採用したWeb Management Consoleが標準搭載されます。Linux版とWindows版で共通するシンプルな画面と操作性を備えておりユーザーがストレスなく使用できます。併せて、新たなサービスとの連携や機能追加が行いやすくなるAPIを拡充していきます。
次に、プロセスの洗練では、OSを問わない柔軟な製品体系に再編するとともに、オプション製品をミニマムなカテゴリーに整理し、これまで複雑だった製品ラインナップを分かりやすくして、容易に製品選択をすることが可能になりました。
さらに、シームレスなコラボレーションでは、Windows版とLinux版を同一タイミングでリリースし、バージョンの統一とプロダクトライフサイクルを共通化していきます。これにより併用するユーザーの運用管理の負担を軽減し、導入や検証、長期的な運用計画の策定が容易になります。
「サイオステクノロジーにおける国内外の研究開発拠点で分かれていたWindows版とLinux版の開発チームの垣根を払いました。システムで用いられる用語も整理・統一し、ユーザーの方が操作の際に戸惑わないようにしています。そして運用手順の共通化と標準化の実現に寄与します」(野宗)
御舩はまとめとして、「LifeKeeperは、単なるツールの域を超えて『可用性のインテリジェンスプラットフォーム』へと進化しています。『つながる明日へ。止まらない力を』というフレーズを胸に、型や伝統を大切にしつつ新たな未来を皆さんとともに切り拓いてまいります。皆様よろしくお願いします」と思いを伝えました。