OSSワンストップソリューション導入事例 日本電信電話株式会社 様

研究所システムのDBを、OracleからPostgres Plusに移行。
Oracle互換機能を活用し低コストでのシステム移行を実現

日本最大の通信インフラとサービスの企業であり、グループ内にSI企業を抱えるNTTグループは、以前からOSSの利用に積極的だ。2011年5月、N T T 研究所のシステム刷新にあたり、従来使っていた商用データベース(Oracle)に替って、Postgres Plus Advanced Server(PPAS)を採用した。PostgreSQL コミュニティ版よりさらに高機能のPPASを採用することで、低コストかつ短期間で、Oracleからの移行を実現した。

システム構成

[OS]
Red Hat Enterprise Linux v 5

[DBサーバー]
Postgres Plus Advanced Server

Company Information

導入目的

商用データベース(Oracle)からの移行

効果

優れた互換性による低コストでの移行

会社名

日本電信電話株式会社(NTT)

設立

1985年

資本金

9,379.5億円(2010年3月31日現在)

所在地

東京都千代田区大手町
二丁目3番1号

業種

通信

従業員数

連結195,000名(2010年3月31日現在)

TCO削減と ベンダロックイン回避のために
OSS利用を進めるNTTグループ

2000年頃からOSSの利用を拡大してきたNTTグループでは、グループ企業へのOSSの導入加速を目的に2006年にオープンソースソフトウェアセンタ(以下、OSSセンタ)を設立。サイオステクノロジーでは、同センタの発足当時からOSSセンタに寄せられるOSやWeb/APに関する問合せに対応するなどOSSセンタの活動を支援してきた。

OSSセンタでは2006年の時点で、OSSの取り組み強化に関する検討を行い、その課題を以下の4つのポイントに分類した。

  • ①OSSに関する情報は未だ少ない
  • ②サポートに不安がある
  • ③運用や組み合わせなどのノウハウが少ない
  • ④信頼性や可用性に課題がある

の4つである。

研究企画部門 NTTオープンソースソフトウェアセンタ担当部長 吉田 忠城 氏

研究企画部門
NTTオープンソースソフトウェアセンタ担当部長
吉田 忠城 氏

「NTTグループ内から技術力の高いエンジニアを結集させ、こうした課題の解決を図ってきました」と話すのは、同センタ担当部長の吉田忠城氏だ。

「課題①と②の情報とサポートの課題に対する解決策として、OSSセンタからの一元的な情報提供によるトータルサポートを推進しました。課題③の利用ノウハウの課題に対しては、ミドルウェアの選択や構築について検証済みのリファレンス・モデル『OSSVERT(オズバート)』を開発、提供すること(※)、課題④の信頼性・可用性の課題に対しては、不具合の改善やエンタープライズ・システムに必要な機能を自らコミュニティに提案し、OSSの機能拡張を図ることで解決をしてきました」(吉田氏)

※OSSセンタでは、新しいバージョンがリリースされるたびに、ミドルウェア単体の検証やOSSVERTの検証を繰り返し、OSSの品質確認を行いながらOSSVERTのリファレンスへと集約している。

サイオスはオープンソース
ソフトウェアを幅広くサポート

OSSセンタは深い技術的な分野に注力する一方、包括的な対応のためにRed Hat社のパートナーであるサ
イオスが協力体制にある。吉田氏はサイオスに期待している内容は大きく分けて2つあると話す。

「OSSセンタはソースコード解析による不具合解析といった高い技術力を要する問合せに対応しており、対応力の幅を広げることが難しいのが現状です。広い技術分野に経験を持つサイオスの幅広いサポートを頼りにしています。また、データベース領域ではコミュニティ版のPostgreSQL に加え、Postgres Plusについても適材適所で導入を進めていきます。サイオスとの連携はこれまではOSやWeb/APが中心でしたが、データベースについてもバックアップを期待しています」(吉田氏)

研究企画部門 研究企画部門 NTTオープンソースソフトウェアセンタ 基盤技術ユニット マネージャ 博士(工学) 邊見 均 氏

研究企画部門
NTTオープンソースソフトウェアセンタ
基盤技術ユニット マネージャ
博士(工学)
邊見 均 氏

こうした中、OSSセンタでは2011年5月にNTT研究所システムのOSSへの移行を実施した。同センタ 基盤技術ユニット マネージャ 博士(工学)の邊見均氏は、プロジェクトの経緯を次のように説明する。

「これまでのNTT研究所システムは、UNIX上で商用データベース(Oracle)を用いて稼働してきました。しかし、ハードウェアの老朽化をきかっけに、コスト削減も含めた形でのシステム移行検討を始めることになりました」

Oracleから容易に移行できる
「Postgres Plus Advanced Server」

Postgres Plus Advanced Server (以下、PPAS)自体の検証を2009年の7月頃にスタート。2009年の12月頃に社内システムにも十分、適用できる機能・品質であることを確認。その後、研究所システムへの適用評価によりPPASへの移行を決定し、開発が本格的にスタートしたのは2010年の7月だった。

事前の適用検証では、コミュニティ版のPostgreSQLを利用する場合や、PPASを利用する場合などの複数のパターンが比較された。

吉田氏は「システム要件を基に、機能・性能の観点から、PPASへの移行、および、コミュニティ版PostgreSQLへの移行を比較検討したところ、PPASへの移行はコミュニティ版PostgreSQLへの移行コストと比較し、約20%の高いコスト削減効果が見込めました。また、過去の資産を有効に利用するという観点では、PPASのマイグレーション機能を利用することで、可能な限り手を入れずに移行が可能となる点も評価しました」と話す。

移行の容易さについては邊見氏も「既存の商用データベース製品との互換性や移行の容易性を重視しました。そして商用製品と同じ感覚で取り扱うことができるPPASの採用は、移行を担当する現場スタッフにとっての大きな心理的な負荷低減に繋がり、大きな効率向上につながると考えました」と説明する。

「今後OSSセンタでは、大きな目標として、システムの設計段階から運用までのライフサイクル全般をカバーするモデルや、OSSの活用による低コストなプライベートクラウドの実現に向けたモデルにOSSVERTを拡張していく予定です」(吉田氏)としている。

 

システム構成図

システム構成図


(PDF: 309KB)

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