電気やガスと同じように身近な金融サービスを提供したいという理念から、1999年に設立されたマネックス証券株式会社は、オンラインによる個人向け金融サービスの先駆け的な存在。2005年には、国内のネット専業証券として、初の主幹事を務めた企業を東京証券取引所 (マザーズ) に上場させ、2009年に日本株ロボット運用投資(愛称:カブロボファンド) を開始するなど、常に先進的で積極的な事業展開を推進してきた。
同社では、さらなる先進的なサービスを提供するために、MONEX LAB を開設し MONEX VISIONβや MONEX SIGNβ などのツールを開発している。そのインフラ構築やアプリケーション開発において、
サイオステクノロジーのOSS ワンストップソリューション (OSS2) 採用とスタッフによるコラボレーションを実現している。
[OS]
Red Hat Enterprise Linux v 5
[DBサーバー]
Postgres Plus Standard Server
[アプリケーションサーバー]
JBoss Enterprise Web Server
[HAクラスター]
LifeKeeper for Linux 7
オンラインでのお客様へのサポートと収益貢献
システムの堅牢性の確保とWebサーバー部分のスケールアウト
マネックス証券株式会社
1999年5月
7,425百万円
証券業
197人
マネックス証券の先進サービス企画室が運営し提供しているMONEX VISIONβは、金融工学理論に基づいて、利用者一人一人の保有資産を分析し、長期的な資産設計のためのアドバイスを行うオンラインの分析ツールです。その目的や取り組みについて、室長の飯田氏は次のように説明する。
「MONEX VISIONβのような先進的なサービスを社内では 『知のインフラ』 と呼んでいます。オンラインでお客様一人ひとりに投資をサポートできるアドバイスを提供していくことによって、最終的にはお取引を広げていただき、会社の収益に貢献する目的でサービスの提供を開始しました。」
MONEX VISIONβ の開発計画は、約二年前からスタートしたという。その経緯について、堀内氏が振り返る。
「システムの開発にあたっては、当社とお取引のある複数の開発会社に声をかけさせていただきました。プロジェクトのスタート当初は、現在のような形になるという明確な要件定義を確定していなかったので、選定にあたっては、できる限りコストパフォーマンスに優れた柔軟な対応のできるアーキテクチャーと開発面での協力体制を求めていました。」
一般的な受託型の開発とは異なり、システム的な要件定義がない中で、先進サービス企画室のスタッフとのコラボレーションで具体的なアプリケーションを形にしていく、という難しい開発要件に対して、複数の候補企業の中から、提案の柔軟性、開発実績、アーキテクチャー面での優位性やコストパフォーマンス、さらには開発体制の柔軟さ、実績あるサポート体制といった観点から、サイオステクノロジーの OSS2 と開発スタッフが採用された。
「正直なところ、最初からオープンソースによるインフラ構築という選択は考えていませんでした。しかし、OSS2 のコストパフォーマンスに加え、サイオスの開発・サポート実績や経験などを総合的に判断して、採用を決断しました。」と飯田氏は選択の理由を語る。
2010年10月1日からサービスの提供を開始した MONEX VISIONβ は、将来的に130万口座を対象としていたが、先進サービス企画室では初期投資を抑えながら、拡張性も実現したかった。そこで、仮想化技術を採用し、OSS2 による柔軟性とコストパフォーマンスの両立を可能にした。構築したシステムは、データベース部分をクラスタリングによる冗長構成で堅牢性を確保しつつ、Web サーバーの部分を仮想化によりスケールアウトすることによって、将来的にユーザー数が増加しても、サービスのレスポンスを低下させないインフラを実現している。
「MONEX VISIONβ で提供している金融工学理論に基づいた分析アルゴリズムは、私がプロトタイプを作成しています。その計算式を元に、サイオスとのコラボレーションで、Web アプリケーション化してもらっています。」 と大矢氏は説明する。
また、先進サービスに関する Web サイトのコンテンツも、同室内のスタッフが制作している。
「インフラからコンテンツまで、システム全体を一気通貫でサイオスとのコラボレーションを実現しているので、Web で公開するコンテンツの制作なども、円滑に進められます。」 とサービスのクリエイティブを担当している山口氏は、協業体制を評価する。
MONEX VISIONβ だけではなく、MONEX LAB で提供されるサービスは、すべてサイオステクノロジーによって構築されたOSS2 環境に統合されているので、開発面でのアジャイル化を実現しただけではなく、運用面での効果も期待できるものとなっている。
「10月から本格的なサービスの提供をスタートしたので、まずは安定稼働が最重要のテーマです。その上で、将来的にはクラウドの活用も含めたシステムの更新や拡張にも取り組んでいきたいと考えています。」 と飯田氏は今後の抱負を語った。

マネックス証券株式会社
先進サービス企画室
室長 飯田敦氏

マネックス証券株式会社
先進サービス企画室
マネージャー 堀内健后氏

マネックス証券株式会社
先進サービス企画室
山口祐樹氏

マネックス証券株式会社
先進サービス企画室
大矢倫靖氏

| ※1 | JBoss EWS : JBoss Enterprise Web Server |
|---|---|
| ※2 | RHEL : Red Hat Enterprise Linux |
| ※3 | LifeKeeper の HA クラスター機能によりデータベース障害時にもシステムの継続稼動を実現 |
(PDF: 994KB)