IPA では、一部の企業や人材に分散しているOSS(オープンソースソフトウェア)に関する情報やノウハウを集約し、包括的に発信を行うオープンソース情報データベース「OSS iPedia(オーエスエスアイペディア)」を公開している。その構築をサイオステクノロジー株式会社(以下サイオス)が担当した。同社は、LAMP(Linux, Apache, MySQL, PHP)を活用して短期間に高信頼性のあるシステムを開発した。
[Webサーバー]
Linux
Apache
PHP
XOOPS
[DBサーバー]
Linux
MySQL
オープンソース情報データベース「OSS iPedia」による利用者への最新情報の提供
世界に先駆けたOSS関連情報の集大成によりOSS活用を促進
独立行政法人情報処理推進機構
オープンソースソフトウェア・センター
2006年1月(オープンソースソフトウェア・センター設立)
東京都文京区本駒込2-28-8
文京グリーンコートセンターオフィス16F
オープンソース・ソフトウェア・センター
ソフトウェア・エンジニアリング・センター
ソフトウェア開発関連
セキュリティーセンター
情報化人材の発掘・育成

オープンソースソフトウェア・センター
センター長 工学博士
田代 秀一氏
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)では、OSS(オープンソースソフトウェア)センターを通して、日本OSS推進フォーラムと連携し、OSS活用および普及の中核となって、「普及促進」、「基盤整備」、「情報集約と発信」の3つを柱とした活動を展開している。その取り組みについて、OSSセンター長 田代秀一氏は、次のように語る。
「OSSを支援しようとする基本計画は、政府のeジャパン構想の中に含まれています。日本のIT技術の空洞化を防ぐためにも、また特定企業のシステムに対する依存度を下げるためにも、OSSの活用と普及促進は、重要なテーマです。その目的を支援するために、OSSセンターが設立されました。その基本的な3つの柱が、普及促進、基盤整備、そして情報集約と発信です。この中で、情報集約と発信では、OSS関連情報のデータベースとしてOSS iPedia(オーエスエスアイペディア)を構築する必要があったのです」
基盤整備は、OSSを活用してシステム構築する際に有用な情報の整備を目的としている。普及促進では、OSSを安心して利用できるように、各種の情報提供を通してOSSの普及を図っている。そして、情報集約と発信では、様々な活動を通して得られた性能評価のデータや事例などをデータベース化し広く利用できるようにする取り組みが行われている。
「OSS を安心して導入するためには、最新の技術情報や事例情報をタイムリーに入手し、先行する事例やノウハウを上手に活用することが大切です。このような情報活用のニーズに応えるために、インターネットを通じた情報登録や公開を可能とするOSS関連情報のデータベースとして、OSS iPediaの検討がはじまりました」と田代氏は振り返る。
開発にあたっては、OSSセンター内で基本的な仕様を設計し、公募の形で実際のシステム構築を担当する企業を選定した。
「OSS iPediaの開発は、これまでに例が無いシステム構築だったので、リクエストにも難しい要素が数多くありました。サイオスに決めた理由は、我々の要求を理解してもらった上に、OSSを組み合わせた提案として、納得できる内容だったからです。加えて、開発においても我々との円滑なコミュニケーションを確立してもらえたことも、満足しています」と田代氏はサイオスの取り組みについて評価する。
OSS iPediaは、「性能評価情報」、「導入事例情報」、「ナレッジベース」の3種類のカテゴリーで構成されている。その目的は、一部の企業や人材に分散しているOSS に関する情報やノウハウを集約し、包括的に提供するデータベースを構築することだった。そのため、公募にあたっては、「オープンソースソフトウェア関連情報データベースの構築」に関わるシステムの設計、開発、テスト、導入、動作確認、情報の制作などに長けていることと、運用に必要な機器の調達および運用・保守業務の調達に関する経験や実績も求められた。これらの条件をすべてクリアし、サイオスの提案が採択された。
サイオスでは、OSS iPediaの開発というビッグプロジェクトに対して、LAMP(Linux,Apache,MySQL,PHP)を活用したシステム構築を提案し実践した。同社は、OSSの開発に精通し数多くの経験と実績がある。OSSiPediaの開発においても、テクノロジーに精通したLAMP環境の性能を最大限に引き出すシステムを構築した。開発も、約3ヶ月という短期間で終了している。構築時には、スパイラル開発型により、ユーザーニーズを反映できる開発手法をとり、また、OSSツール(XOOPS、MediaWiki)を活用した。さらに、セキュリティー対策も考慮にいれ、ドキュメンテーションや品質保証も徹底した。
その結果、OSS iPediaは、公開後からコンスタントなアクセスを維持し、1年を経過した時点で、毎日1万件以上のアクセスがあり、大きなトラブルも無くスムーズに稼動している。
OSSセンターでは、2006年7月に「OSS iPedia」の機能強化を目的に、新たな公募も行っている。この公募でも、サイオスが採択され、2007年4月にリニューアルされた「OSS iPedia」をカットオーバーした。新バージョンでは、ユーザーインターフェースが改良され、導入事例の拡張と英語に対応した国際化、アンケート機能やバックアップの機能強化が行われた。
「今後もOSS iPediaの強化を検討していくだけではなく、他の情報公開や共有サービスと連携していくこともセンター内で議論していく予定です。」と田代氏は語った。


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